ビールがもっと美味しくなる!”製造方法”や”種類”まで、ビールの基礎知識を解説します!

2020年2月5日


みなさんは居酒屋などでお酒を飲む時、まず何から頼みますか?


カクテルや日本酒、ワインなど、お酒には様々な種類がありますが、恐らく”一杯目のお酒の王様”と言えば、


「ビール!!」


と答える方が多いのではないでしょうか?


真夏の暑い日や、仕事終わりの疲れた体に流し込むビールは本当に最高ですよね。


ところで、これだけ日本人の間で愛されているお酒でありながら、ビールの”味”や”風味”、”製法”や”原料”に「うるさい」人ってあまりいませんよね?


ワインや日本酒、ウイスキーなどは比較的「オタク」な人をよく見かけると思うんですが、ビールの場合は「とりあえずキンキンに冷えてればいいや。」という方がほとんどですよね。


私自身もビールが大好きで毎晩のように飲みますが、あまり強いこだわりもなく、「ビールについての知識」はほとんどない状態でした。


「これではビールに失礼だ!」


と思い、ちょっとだけ勉強してみました。


そこで今回はビールについての基礎知識ということで、「どういう経緯で現在のビールができあがたのか」、そして”原料”や”製法”、”香り”や”味”による「ビールの種類分け」についての基礎知識など、今後みなさんがビールを楽しむ上で少しでも役立つ情報をお伝えしたいと思います!


*****( ↓ )気になる項目へどうぞ( ↓ )*****

(1)ビールの歴史


突然ですが、ビールが初めてこの世界に誕生したのはいつ頃だと思いますか?


びっくりすると思いますが、世界的に見ると、なんと「紀元前3000年ごろ」だそうです。笑


メソポタミアとかエジプトの古代文明に記録が残っているんだとか。


ちなみに日本にスポットを当ててみると、ビールとの出会いは”江戸時代”まで遡ります。


ドイツの「農芸化学書」に醸造法や工程が記載されていたようでして、その翻訳を行った方(川本幸民)が実験的にビールの醸造を行ったという説が有力なようです。


その後、明治時代に入ると日本初のビール醸造所が横浜につくられ、日本人にも少しずつビールという文化が浸透していきました。


今でこそ、ビールは「庶民的なお酒」として浸透していますが、このころは「高級品扱い」だったようです。


1977年に「サッポロビール」、1986年に「キリンビール」、1990年に「エビスビール」、1992年に「アサヒビール」が発売。


全国各地に点在する小規模なビール醸造所がわずか数年で廃業するなか、現在も人気ブランドであるこの4社は日本人の心を射止め、市場規模はどんどん拡大していったそうです。


今では、「冷蔵庫でキンキンに冷やしたビール」が家庭の常識ですよね?


昔は「冷えたビールを家庭で」というのは難しく、冷えたものを酒屋で買うか、氷や井戸水で冷やして飲んでいたそうです。


仕方なく「ぬるいビール」を飲むなんてことも普通だったとか。


昭和30年代に”冷蔵庫”が普及すると、自宅でも冷たいビールが飲めるようになり、これまたビールの”売上げアップ”に拍車をかけることになりました。


1987年にアサヒの「スーパードライ」が爆発的なヒットを記録し、いわゆる”生ビール”が50%のシェアを誇るまでに成長します。(”生ビール”の解説は後ほど)


その後、バブル崩壊や酒税増税などを背景に、ビールの”低価格競争”が始まりました。


こうした中で生まれたのが「発泡酒」「第三のビール(新ジャンル)」です。


発泡酒の原点はサントリーの「ホップス」。


その”低価格”が人気に火をつけ、「発泡酒・第三のビール(新ジャンル)」の市場に各社が参入することとなります。


”第三のビール”には私もお世話になっています。


「毎日”生ビール”を飲みたい」というのが本音ですが、身の丈に合った生活をしないとですね。笑


「エビスビール」「ザ・プレミアム・モルツ」など、高級志向のいわゆる「プレミアムビール」にも様々な商品がありますね。


私もたまーに、自分へのご褒美に買っちゃいます。


以上、ビールの歴史についてざっくりと書かせていただきました。


次項では、製造工程や原料など、「ビールの作り方」についてご説明させていただきます。




(2)ビールの作り方

①製造工程

まずはざっくりと、製造工程から。


ビールの製造工程は、大きく5つの工程に分かれています。


製麦工程・・・大麦を発芽させ、ビールの原料となる麦芽をつくる

仕込工程・・・麦芽を粉砕し温水と混ぜ、酵母が発酵するのに必要な糖やアミノ酸が豊富に含まれた”麦汁”をつくる

発酵・貯酒工程・・・麦汁が発酵により、ビールへと変化する工程

熟成・貯酒工程・・・発酵が終わったビール(若ビール)を熟成させる

ろ過・熱処理・・・ろ過、もしくは熱処理により酵母を取り除く

②ビール酵母について

上記の「◆ 発酵・貯酒工程」でご説明した、「麦汁の発酵」について詳しく見ていきます。


そもそもビールというのは麦を原料とした”醸造酒”です。


醸造酒というのは、麦や果実などの原料を”酵母”によりアルコール発酵させて作られたお酒。


ちなみに、この醸造酒を温め、揮発したアルコールを抽出したものが”蒸留酒”です。


◆ 麦 → 醸造 → ビール(醸造酒) → 蒸留 → ウイスキー(蒸留酒)

◆ 果実 → 醸造 → ワイン(醸造酒) → 蒸留 → ブランデー(蒸留酒)

◆ 米 → 醸造 → 日本酒(醸造酒) → 蒸留 → 米焼酎(蒸留酒)


お酒を温めてアルコールだけを集めたものが蒸留酒になりますので、アルコール度数は高めになりますね。


話を”醸造酒”に戻しましょう。


”麦”を酵母により発酵させたものがビールになりますが、ビール酵母は主に2種類あります。


上面発酵酵母(エール酵母)・・・常温に近い15〜25℃で発酵

下面発酵酵母(ラガー酵母)・・・5〜10℃前後の低温で発酵い

その他、自然の空気中や土に生息する「野生酵母」を使用して造られるビールもあります。

③原料

ビールの基本原料には”麦”と”酵母”の他に、”ホップ”と”水”が使われています。


・・・大麦、小麦、オート麦、ライ麦

酵母・・・糖をアルコールと二酸化炭素(炭酸ガス)に分解する微生物

ホップ・・・アサ科の植物。ビールに「苦味」と「香り」を与え、泡の安定化や保存性を高める。

・・・色の濃いビールには「硬水」、色の薄いビールには「軟水」が適している。

【ホップ:アサ科のつる性の多年草植物】


これら原料の”組み合わせ””比率”により、様々な香りと味わいのビールが生まれるのです。


この他、屑米やとうもろこし、コーンスターチなどの副原料が入ったビールもたくさんあります。


「副原料の入ったものはビールではない!」という方もいらっしゃいますが、日本で売られているビールで副原料を含まないものは「キリン一番搾り」や「エビス」、「モルツ」など、数えるほどしかありません。



(3)ビールの種類(スタイル)


ビールの種類(スタイル)は、細かく分けると150種類以上になるそうです。


スタイルの種類を把握し、自分好みのスタイルを知っておくことで、初めて見る銘柄のビールでも「おおよその”味”や”香り”」の検討がつきます。


ビール選びが楽しくなりそうですね!


その区分方法は様々です。順番に見ていきましょう。

①発酵方式、醸造方法による分類

「(1)ビールの基礎知識」でもご紹介したとおり、ビールの醸造に使用される”酵母”にも種類がありますが、酵母の種類によってもビールのスタイルは分けられます。


エール(上面発酵酵母)・・・香りが高く、濃厚な味わい

ラガー(下面発酵酵母)・・・のどごしが良く、すっきりした味わい

※上面発酵酵母と下面発酵酵母を併用した「ハイブリッド・ビール」もあります。

自然発酵ビール(野生酵母)・・・個性的な香り・味わいで、酸味がとても強いのが特徴


酵母によるスタイル分けは、ビール選びの”ベース”と言ってもいいかもしれません。


ちなみに、日本の大手ブランドのビールはほとんどが”ラガービール”です。


”エール””ラガー”か、つまり、”香りや味をしっかり楽しむビール”か”ゴクゴク飲めるビール”か。


どちらがお好みでしょうか?

②色による分類

麦芽の種類、製造工程の”煮沸”の化学反応により、ビールの色は変わります。


その色は透き通った”黄金色”から”真っ黒”のものまで、多種多様です。


この色によってもスタイルは分けられます。例えば、

◆ ピルスナー・・・金色

◆ ヴィエナ・・・赤銅色

◆ シュバルツ・・・茶色味を帯びた黒色

◆ スタウト・・・黒色


こんな感じ。


色の違いはビールを”視覚的”に楽しませてくれます。


美しく透き通る黄金色、濃いめの色は”泡とのコントラスト”など、飲む前にもビールを十分に堪能しましょう!


③スタイルとアルコール度数

ビール製造工程において、酵母は原料に含まれる”糖”をアルコールと炭酸ガスに分解します。


したがって、ビールのアルコールの量、つまり”アルコール度数”は麦汁に含まれる”糖”の濃度により決まることとなります。


スタイル別に見ていきましょう。


ライトラガー・・・3.5〜4.4%

ピルスナー・・・4.0〜5.0%

イングリッシュ・ペールエール・・・4.5〜5.5%

ボック・・・6.5〜7.5%

スコッチエール・・・6.2〜8.5%

バーレイワイン・・・8.5〜12.0%


アルコール度数12%なんていうビールもあるんですね。是非飲んでみたいです。

④主なビールのスタイル

上記にお示ししたスタイル分け以外にも、発祥国やアルコール度数、苦味、香りなどによりさらに細かく分けられることになります。


以下には世界の主なスタイルを列挙したいと思います。

◯ラガー

ボヘミアン・ピルスナー(チェコ)

 世界中で飲まれるピルスナーの手本となったスタイル。モルト感が強い。

ジャーマン・ピルスナー(ドイツ)

 ボヘミアン・ピルスナーのドイツ版。ドイツの北部と南部で味や香りが異なる。

シュバルツ(ドイツ)

 黒ビール。ローストしたモルトの香ばしさが特徴。

◯エール

ペールエール(アメリカ)

 イギリス発祥のペールエールを、柑橘系の香りがあるアメリカ産ホップで仕上げたもの。

IPA(アメリカ)

 イギリス発祥のIPAを、柑橘系の香りがあるアメリカ産ホップで仕上げたもの。 

スタウト(アイルランド)

 黒ビール。苦味の強さが特徴。

◯その他

フルーツビール

チョコレートビール

◯日本のビール

《キリン》一番搾り生・・・ピルスナー

《アサヒ》スーパードライ・・・ピルスナー

《サッポロ》生ビール黒ラベル・・・ピルスナー

《エビス》エビスビール・・・ドルトムンダー

《サントリー》ザ・プレミアム・モルツ・・・ピルスナー



上記に列挙した日本の大手各社のビールはすべて下面発酵(ラガー)、そしてほとんどがピルスナーですね。


色は鮮やかな黄金色、すっきりとした味わいで、ゴクゴクのどごしを楽しめるのが特徴です。


確かに、「ビールと言えば、ジョッキでグビグビッ!」が日本のスタイルですしね。


是非、機会があれば世界の様々なビアスタイルを試してみたいものです。


(4)発泡酒と第三のビール(新ジャンル)

ビールより安い!庶民の味方!


私も大変お世話になっています。”発泡酒”と”第三のビール(新ジャンル)”。


これだけ世間に浸透しているものの、そもそも”発泡酒”と”第三のビール(新ジャンル)”って、ビールと何が違うの?


そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

①ビールとは?

ビールの定義は以下のとおりです。


原料として、麦芽の使用料が50%以上であること

副原料の使用割合が、重量比で麦芽の5%まで


簡単に言うと、純粋に麦芽をメインに造られたものが”ビール”と定義されます。


ちなみに、「生ビール(=ドラフトビール)」という定義


これは「製造の過程で”熱処理”をしていないビール」とされていますが、この定義、日本独自のものだそうです。


日本以外では、熱処理をしていても”ドラフトビール”と定義する国もあります。


日本の大手ブランドで熱処理をした製品と言いますと、キリンの「クラシックラガー」やサッポロの「サッポロラガービール」が代表的です。


その他はほとんどが”生ビール”になります。


アサヒスーパードライの爆発的ヒットにより、日本のビールは生ビールが主流になったようです。

②発泡酒とは?

発泡酒は日本特有の分類です。定義は以下のとおり。


麦芽比率が50%未満のもの

副原料の使用割合が制限を超えたもの


要は、先ほどのビールの定義に当てはまらなかった”ビール風味酒類”が発泡酒となるわけですね。

③第三のビール(新ジャンル)とは?

第三のビール(新ジャンル)の定義は以下のとおり。


発泡酒に麦由来のスピリッツ(蒸留酒)を加えたもの

原料として、麦芽以外の穀物などを使用したもの


ビール → 発泡酒 → 第三のビール(新ジャンル)となるにつれて、どんどん麦芽の比率が下がり、それ以外の副原料やアルコールが加わっていくんですね。


発泡酒や第三のビール(新ジャンル)の”安さ”は魅力的ですが、麦の味わいや香りを楽しむのであれば、やはりビールを選びたいところですね。


(5)まとめ

いかがでしたでしょうか?


私は記事を書いているだけで喉が乾いてきました。笑


みなさんが思っていたよりも、ビールの世界は奥深く、知れば知るほどビールの楽しみ方が広がると思います。


お酒は”味”だけでなく、今回ご説明したような”基礎知識”を持って堪能することで、お酒が持つポテンシャルを余すことなく楽しめると思います。


「とりあえずビールで!」


と、日本人らしくジョッキでグビグビ飲むのもいいですが。


たまにはゆっくりと。


グラスに注いだ”泡”と”色”を視覚で楽しんでから。


ビールの”スタイル”と”製造方法”、そして”歴史”を噛み締めながら。


その芳醇な”香り”と”味わい”、”のどごし”と”余韻”を存分に味わうのはいかがでしょうか?




最後まで読んでいただき、ありがとうございました。